2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『カラマーゾフの兄弟』を読む

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』について書く。訳は、光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳を用いる。 どんな物語にも、これが理解できていれば重要なことはあらかた分かったと言えるような構造の核心が存在するものだ。『カラマーゾフの兄弟』の場合は…

僕の文学に対する姿勢

好きなコンテンツについて 僕は小説を読むことがあまり好きじゃないらしい。以前からなんとなく自覚してはいたが、じつのところ小説が苦手なのだ。字ばかりで絵がない本なんて気が滅入る。それが本音だ。たぶん世の中の漫画が『チェンソーマン』や『ヒストリ…

『日はまた昇る』を読む2

ヘミングウェイの『日はまた昇る』を端的に言い表すと、これは「耐える」文学である。我々はこの本を通じて、苦しみに耐える人の在り方を学ぶことができる。実際に主人公は作中で、耐えること以外には何もしないのだ。何も事件は起こらない。物語と呼べるも…