2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『日はまた昇る』を読む

ヘミングウェイの『日はまた昇る』を高見浩訳で一度だけ読了した。 ともかく一度目の感想としては、まったく面白くなかった。名高い古典でこれほど退屈な読書体験は珍しい。一体作中で何が問題になっているのか、何を面白いと思えばいいのかさっぱり分からな…

『金閣寺』の文体について

三島由紀夫の『金閣寺』の文体について書く。 金閣寺の文体の特色として、文末が多彩なことが挙げられる。次に例を引用する。 寝ても覚めても、私は有為子の死をねがった。私の恥の立会人が、消え去ってくれることをねがった。証人さえいなかったら、地上か…