カラマーゾフの兄弟

『カラマーゾフの兄弟』に反論する

『カラマーゾフの兄弟』は偉大な作品だ。でもその主張は間違いである。あるいは不完全な部分があると僕は考える。 ドストエフスキーは引き裂かれが間違った状態であると捉えた。だからそれの解決に向かって物語を前進させて、じっさいに終局させた。引き裂か…

僕にとっての最大のテーマ

僕にとっての最大の文学的なテーマは死だ。それに興味がある。ふりかえってみると僕の心に残っている小説はどれも死を中心に据えていた。『失われた時を求めて』、『カラマーゾフの兄弟』、『豊饒の海』などだ。 文学とは何だろうか。それは結局は物語だ。レ…

『カラマーゾフの兄弟』を読む

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』について書く。訳は、光文社古典新訳文庫の亀山郁夫訳を用いる。 どんな物語にも、これが理解できていれば重要なことはあらかた分かったと言えるような構造の核心が存在するものだ。『カラマーゾフの兄弟』の場合は…

鉄道について考える

僕はVtuberの文野環ちゃんが大好きだ。そして文野環ちゃんは鉄道が大好きだ。それで僕も最近鉄道というものに興味を持ち始めた。好きにはなれそうにないのだが、知的好奇心を抱くことはできそうだ。そこで今回は鉄道というものについて、文学作品を中心に考…

世界で最も偉大な小説と二番目に偉大な小説

愚かな物好きの話 世界で最も偉大な小説はセルバンテスの『ドン・キホーテ』である。特にその中の短編『愚かな物好きの話』がそうだ。セルバンテスはそこで小説におけるもっとも基本的なテクニックを構築し、誰にでもわかる形で明らかにしてみせた。 それは…