2025-11-01から1ヶ月間の記事一覧

沈黙する

最近僕はツイッターをやめた。Discordもいくつか大きなサーバーを抜けた。それでツイッターや抜けたDiscordサーバーで経験したことを色々思い返していたのだが、ともかく今は人や作品をけなすことのできない風潮だな、と思う。いかなる文脈においても、いか…

難しいことを易しいことに翻訳する力

作家が小説を書くに当たって必要とされる能力のひとつに、難しいことを易しいことに翻訳するということがある。文学上の真理はおうおうにして難しい。それを読者にも理解できるような形に変換することが作品をつくるにあたって大切になる。 僕は最近、短編小…

継承というテーマ

僕は今までに継承というテーマを書いた作品をいくつか見てきた。村上春樹の小説『街とその不確かな壁』、ジブリの映画『君たちはどう生きるか』、ジョン・コナリーの小説『失われたものたちの本』、サトクリフの小説『第九軍団のワシ』、ダレン・シャンの小…

影と鏡像8

前回の記事では左右関係を俯瞰して述べるということをした。影と鏡像7 - Costa Rica 307 ここでは俯瞰という視点からではなく、自分自身の視点から、つまり主観で見たときに左右関係はどう目に映るのかということを述べたい。この記事で述べているのは影と鏡…

母性について

ここ10年ほどで母性という概念がだいぶ積極的にオタク界のコンテンツで取り上げられている。代表例は『エヴァンゲリオン新劇場版』だろう。 note.com 上記の記事で解説しているが、この作品は男性の主人公がまず父性を成長させる。その時点がちょうどミッド…

話中話に関する考察

僕は『高野書店』という短編で話中話を無理やり改造してみせた。正道ではなく邪道の話中話をそこではくりひろげた。 僕は話中話という構造に興味がある。それを縦横無尽にあやつりたいという願望がある。しかしもう邪道をやりたいとは思わない。同じことを二…

自由は存在しない

人に自由はない。たとえば僕は小説を執筆する際はいつも意識的に考えることをやめて、無意識から言葉をとりだしてくることにのみフォーカスしているが、とすると僕の執筆行為は僕の無意識に支配されていることになる。そこでおこなわれるのは僕と無意識のあ…

需要に応える

前回の記事の続きである。魂とは何か2 - Costa Rica 307 僕は先日、佐藤弘夫の『人は死んだらどこへ行けばいいのか: 現代の彼岸を歩く』という本を読んだ。内容はスピリチュアルなものではなく、日本人の他界観を大昔から現代にいたるまでさらい、その変遷を…