海辺のカフカ

村上春樹の文章の特長

村上春樹の文章の特長について思う所を述べる。この記事は村上春樹を読んだことがない人でも読めるように書かれている。 テーマに沿ったリズム 村上は作品のテーマと合致した文章のリズムを作ることが上手い作家である。例えば『 色彩を持たない多崎つくると…

『海辺のカフカ』読解メモ・下巻

別記事からの続き。 P6 「星野青年」。 P61 ナカタさんと星野青年も図書館に行き着く。主人公の泊まっている図書館とは別だが、図書館であることに変わりはない。そこで彼らは調べ物をする。 P66 入り口の石を探していると、カーネル・サンダースが星野青年…

『海辺のカフカ』読解メモ・上巻

以前『海辺のカフカ』を読んだ時にメタファーについて説明する記事を書いた。 そのまま一回しか読まずに置いていたので、最近再読を初めた。以下は頭から読んでいった時のメモである。ページ数は文庫版に準拠している。この記事では上巻を扱う。 P43 主人公…

『海辺のカフカ』におけるメタファーの性質

『海辺のカフカ』には「メタファー」という言葉が頻繁に登場するのだが、これは本作を読み解く上での鍵となっている。そこで本稿ではその意味や性質について整理してみた。 主体がメタファーを作り上げる 簡潔に述べると、『海辺のカフカ』流の「メタファー…