エヴァンゲリオン

かりそめの目標

物語は序盤で主人公になんらかの目標を示す。ただしそれは他者から与えられた、かりそめの目標であり、達成したとしても真の問題解決にはならない。主人公は物語の途中で目標を検証し直し、自己の本当の課題が何であるかを定義しなおさなければならない。そ…

物語におけるエディプスコンプレックスについて

漫画『推しの子』を読んだ。面白かった。母親を溺愛する男の子が、母親を殺した主犯(と思われる)父親を探し出して復讐を企むという筋書きである。これは「父親を殺して母親を娶る」というエディプス王の話型を変形したものだと僕は受け取った。 映画・エヴァ…

二つの道

物語の普遍的な構造の一つに二つの道というものがある。楽な道と困難な道の二つが主人公の前に示されており、主人公はどちらを選ぶか逡巡するというものだ。 それは通常、どちらが楽でどちらが困難なのか、そしてどちらが正しくてどちらが間違っているのかは…

ヱヴァンゲリヲン新劇場版を読み解く

これまで本ブログは二回に渡って『シン・エヴァンゲリオン』を読解してきた。本稿ではヱヴァンゲリヲン新劇場版を序から始めて最後まで読み解いていく。 一回目の記事 二回目の記事 エヴァンゲリオンは訳の分からない映画である。3作目のQから一体何がストー…

鉄道について考える

僕はVtuberの文野環ちゃんが大好きだ。そして文野環ちゃんは鉄道が大好きだ。それで僕も最近鉄道というものに興味を持ち始めた。好きにはなれそうにないのだが、知的好奇心を抱くことはできそうだ。そこで今回は鉄道というものについて、文学作品を中心に考…

『シン・エヴァンゲリオン』を読み解く

本稿では映画『シン・エヴァンゲリオン』の物語を読み解く。 物語の骨子 エヴァンゲリオンのストーリーを把握するうえでもっとも重要なことは、巨大ロボットに乗り込むことは父性と母性の両方を象徴する行為だ、ということだ。鬼の面相をしたエヴァンゲリオ…