コスタリカ307

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プルースト

旧約聖書について

旧約聖書を10年近く読み続けている。といっても読み込んでいる訳ではない。適当にページを開いて、出てきた所をすこし読むだけのことだ。それも一ヶ月に一度ぐらいの頻度である。 なんでそんなことをするのかというと、あまりにも理解できないので、かえって…

『海辺のカフカ』におけるメタファーの性質

本稿は『海辺のカフカ』のメタファーが持つ性質と、それが物語で果たす役割について説明する。 主体がメタファーを作り上げる 一読して、難解な小説だと思った。この小説には「メタファー」という言葉が頻繁に出てくるのだが、それが本作を読み解く上での鍵…

逆方向の力

前回(リンク)に引き続き、本稿では『1Q84』の比喩の性質への理解を深めるために議論をする。そのために、次のような形で先行する文学作品が『1Q84』に影響をおよぼしていることを説明する。 『失われた時を求めて』 → 『豊饒の海』 → 『1Q84』 『1Q84』と…

『1Q84』、卵を温めることについて書いた小説

卵型の暗喩 小説『1Q84』の中核を成しているのは卵型の暗喩である。同作には容器や部屋にまつわる表現が多様な形をとって随所にあらわれる。それらはいずれも「卵を温めてヒナを孵す」という行為のヴァリエーションになっている。いくつか例を挙げて確認しよ…

『豊饒の海』と『百年の孤独』の共通点

共通点を挙げる 『豊饒の海』と『百年の孤独』には共通点が多く、興味深い。まずは思いつくままにそれらを列挙してみよう。 物語の冒頭から終盤まで出ずっぱりの登場人物が一人いる。彼・彼女は若い頃は影が薄く、物語の主人公を他の者に譲っているが、終盤…

比喩を剥ぎとる

パロディの例 パロディという表現技法がある。先人の作品を参考にして、それを自分流に書き換える形で引用するという手法だ。『1Q84』はこのテクニックの宝庫であるから、この小説から一つ例を取って見てみよう。 リーダーを暗殺した青豆は新築マンションの…